『 木に関するお話。 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの平井です。

 

今日は、私が今までログハウス建築に携わり、木に関することで

疑問に思い、その都度調べてきたことの一部をお話したいと思い

ます。

 

皆さん、小学校の頃に「奈良の正倉院の校倉に使われている木材

は特殊な形状をしていて、外の湿度が高いときには膨らんで空気

の出入りを防ぎ、湿度が低いときには縮んで、空気を入れ替え

る。だから宝物が千年以上も腐らずに保存されてきた。こんな仕

組みを考え出した昔の人はえらい。」と教科書で習いませんでし

たか?

正倉院

学校で教えられていたこともあってか、この「校倉通風説」を信

じている人は結構多いようです。

ところが、実はこの話は全く違うのです。

その根拠というのは、壁を構成している校木は常に密着してい

て、隙間が開閉したりしていないという事実があるからです。

 

その次の根拠としては、正倉院の床も天井も屋根も、特に気密性

が高い構造ではないこと、つまり、壁がどんな構造であろうが、

それ以外のところからも空気が自由に出入りしているということ

です。

 

更に決定的な根拠としては、正倉院の3連の倉のうち、真ん中の中

倉は、単なる板を積み重ねた「板倉」であるという事実があると

いうことです。そもそも、構造が校倉ではないのです。

これらの事実から「校倉通風説」は完全に否定できるのです。

 

とはいっても、宝物の保存状態が良かったのは事実です。

では、なぜ良かったのでしょう。

その理由は、木材の湿度調整作用が校倉内部で働いたからなので

す。

音響2

以前から申し上げていますが、木材は周囲の大気の湿度が上がれ

ば水蒸気を吸収し、湿度が下がれば放湿するという素晴らしい特

性を持っているからなのです。そのため、木材に囲まれた空間で

は、湿度の変動が外部よりも小さいのです。

 

このメカニズムが正倉院においても働いていたことが、いくつか

の測定から明らかになっています。つまり、木材が周囲に張り巡

らされた倉の中で、湿度調整現象が千年以上も繰返され、それが

保存に対して有効に働いたのです。

 

また、宝物が「スギの唐櫃」の中に入れられてあったため、いわ

ば2重の湿度調整機能が働いて、湿度の変動をさらに減少させてい

た事、さらに、校倉自体が高床式であるため、地面からの水蒸気

が遮断されていた事も、宝物の保存に有利に働いた要因として考

えられています。

正倉院2

結局のところ、宝物の保存状態が良かったのは、校倉の壁が開閉

していたからではなく、木材に囲まれた状態に宝物が置かれてい

たからなのです。

 

今回は「宝物」の保存状態を申し上げましたが、「人間」が住む

家として、本質的に快適な家とはどういう家なのか?を考えるのに

参考になるのでないでしょうか。 平井

ホンカ平井6

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