『 木について⑰ ~辺・心で変身!~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ホンカ 画像8

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

樹木はずいぶんと手の込んだことをするのだそうです。

丸太を輪切りにしてみると、外側の淡い色をした辺材と呼ばれる

部分と内側の濃い色をした心材と呼ばれる部分を区別することが

できます。

ログハウス ホンカ 丸太

心材は、初めから心材であったのではなく、丸太の外周に位置す

る形成層で形づくられてから辺材として何年、何十年を過ごし、

ある時、心身に変身するんだそうです。

なぜこのようなことをするのでしょう。

 

何年あるいは何十年(樹種によりほぼ決まっています)、辺材中

で孤独に生き続けてきた柔細胞(柔細胞以外の細胞は形成層で生

まれて、その年のうちに死んでしまいます)は、ある時、死(細

胞の自殺=アポトーシス)を迎えます。

 

柔細胞は死に臨んで、辺材を心材に変身させるための仕事(心材

化)をするそうです。

柔細胞はそれまでも微生物などの攻撃から樹木を守ってきました

が、自分が死んだ後もその使命に責任を持ちたいと思い、微生物

の嫌いな樹脂や色素といった心材成分を合成して細胞を覆ったり

微生物の通り道となるであろう細胞中の通路(壁孔壁)を塞いだ

りするそうです。

ですから、心材は辺材に比べ微生物やシロアリなどに対して強い

のだそうです。

【 チェンガルの木 】チェンガルの木

チェンガルの木 チェンガルの木

耐朽性の高い樹種が多い熱帯産材のなかでもチェンガルは耐朽性

が非常に高く、マレーシア鉄道に使用された枕木の平均耐用年数

は、23年だったそうです。

しかし、チェンガル材といえども、有機溶媒で心材から樹脂や色

素を除いてしまうと、耐朽性は大きく減少してしまうそうです。

 

【 ウダイガンバの木 】ウダイガンバ

北海道の代表的な樹種であるウダイガンバは、心材の比率の大き

さが、高品質材のひとつの条件になっており、市場ではマカバと

メジロカバに区別され、価格も平均で50%ほど異なるそうです。

 

このような点からも心材化の研究は重要なんだそうです。

 

心材化のプロセスについては、糖の辺材内部への転流→エチレン

などにより誘導された酸素による心材成分合成→柔細胞の液胞に

ポリフェノールが蓄積→濃度上昇による液胞破壊→周辺への拡散

→細胞壁中のフェノールオキシダーゼなどと接触→酸化重工→心

材が形成されると理解されているそうです。

 

心材化の誘因としては、水ストレス等が考えられるのだそうで

す。

心材成分生合成に関与するフェニアラニンアンモニアリアーゼや

カルコンシンターゼ活性は、辺材内部で秋期に高くなることが報

告されているそうです。

 

いかがでしたでしょうか?

今年もこうして木について色々調べていきたいと思います!

小俣 小俣

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小俣 あけみ
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