
2025年9月25日大阪・関西万博 北欧パビリオンにて
シンク・ライク・ア・フィン(フィンランド人のように考える)
Wood for Thought(森を考える)
持続可能な森林ベースのバイオエコノミーがもたらすウエルビーイングとイノベーション
サステナブル・バイオエコノミー・イベントが開催されました。
フィンランド政府(農林大臣)、日本政府(日本農林水産省)代表、フィンランド上級大臣顧問、HonkarakenneCEO、東京大学名誉教授、京都先端科学大学教授、フィンランドを代表する企業グループCEOの方々による非常に熱のこもった有意義で建設的なパネルディスカッションが行われました。

森林大国のフィンランドでは、危険が伴う伐採のオートメーション化から始まり木を原材料にして石油製品に代わる持続可能なバイオベース製品を既に商品化していて木に対してのテクノロジーは世界最先端を進んでいます。
しかし、林業に関してはフィンランドも日本も林業に従事する若者が育たず、特に我が国では50年以上伐採されずに放置されている森林が増え続けているのが現状で、いかに放置されているし森林資源を有効活用し、その後に計画的に植樹をして国土を管理していくかが大きなチャレンジです。

日本政府は、住宅以外の木造建造物の増加を目標に掲げていますが、日本の森から供給される木材の量が後継者不足等の様々なプロブレムによって政府が目標としているレベルに追い付かなくなるとの危惧を持っており、供給量の不足をフィンランド等からの輸入でクリアできないものかとも考えています。

2025大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングは、日本の木造の技術の粋を集めたギネス世界記録に登録された世界最大の木造建築物です。また、今回の万博では多くの国が木造でパビリオンを建築していました。


大屋根リングの使用木材は、スギ、ヒノキ、ヨーロッパ(オウシュウ)アカマツの集成材。釘は使用されていませんが、接着剤、金物が使用されています。
水平荷重に対しての強度は木材によって異なるため、樹種による強度を理解し木材を適材適所に使用すればより耐久性の高い建築物ができます。
マツ/パイン(フィンランド語でホンカ)は、寺社建築にも使用され特にアカマツは構造材として使われています。ホンカログホームには、北極圏に近い高緯度に生息する年輪が密で断熱性・蓄熱性・耐久性が高く、美しい木目のポーラパイン/ヨーロッパアカマツを使用しています。
北海道から九州まで気候が異なる日本では、各地域で使用されている樹種の比率は違いますが、日本人は木材の特性を熟知して森林資源を適材適所に使用してきた優れた民族で、森林大国フィンランドと共通点があります。
ホンカはフィンランドの優れた木材加工技術で生産されたラミネートログを中心にした木材製品を工業化し、世界50カ国以上にわたり90,000棟以上のログハウスを輸出・販売・建築しています。
フィンランド政府と日本政府が協力して、森林を持続可能な森林資源として国家プロジェクトレベルで真剣に考えていると勉強になったイベントでした。
★★★★★今回のパネルディスカッションで一番参加者から共感を得ていたと思われるのは・・・・・
ホンカラケーネCEOマルコ氏の『人間は一晩眠っている間に5,000回も呼吸をしているが、(ホンカのログホームだと)木に囲まれたきれいな空気を吸っているのとそうでないのとの違いは大きい』旨の話でした。
ご招待いただいたフィンランド政府、日本政府の方々、モデレーター、パネリスト、フロア、ノルディックサークルのスタッフの方々に感謝した一日でした。