『 木について② ~校舎の建築材料~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ホンカ フィンランド

シリーズでお伝えしております木について、今日は“ 校舎 ”を作る

材料の違いについてお話ししたいと思います。

 

校舎に用いられる典型的な材料はセメントと木材ですが、両者の

イメージはずいぶん異なります。

このようなイメージの異なる材料でできた校舎は、そのイメージ

も違ってきます。

小学生が抱く木造校舎のイメージは、自然で暖かみがあり快適性

と接触感に勝っていますが、鉄筋コンクリート造校舎は人工的で

硬く、角張っていて落ち着きがないとするイメージが強くでま

せんか?

このような校舎に対するイメージは、非現実的な想像ではありま

せん。

ホンカ 学校2

木造は床に弾力があって歩きやすいとか、ストーブをたくとすぐ

に温まったり、湿気を防ぐのでべとつかないなど、材料の物理特

性の相違からくる違いも総合的に判断されて全体イメージとして

表れてきたものといえます。

したがって、校舎環境の違いは、そこに生活する子供や教師の心

理的・生理的な面にも影響を及ぼします。

この様子を疲労についてみてみた資料がありましたので、ご紹介

します。

ホンカ 学校

授業中の小学生は、多かれ少なかれ「眠い」「だるい」「集中力

がない」などの疲労症状を訴えるそうですが、授業中にこのよう

な疲労症状を訴える子供が少しでもいると回答した学校は、木造

校舎では44%ですが、鉄筋コンクリート造校舎では63%となり、

木造校舎の1.5倍にも増えているそうです。

さらに生徒の10%以上が疲労症状を訴える学校をみると、鉄筋コ

ンクリート造校舎は木造校舎の2倍強となり、がぜん多くなりま

す。

鉄筋コンクリート造の学校の子供たちは、授業中だらけていた

り、注意を集中しにくい傾向がうかがわれるそうですが、このよ

うな子供を相手に、教師は奮闘することとなります。

そこで、教育活動の当事者でもある教師の疲労の様子についても

お話ししましょう。

ホンカ 学校4

小中学校の教師を対象として、教師の蓄積疲労を特性別に調べた

結果、教師の疲労は「慢性疲労」が最も顕著の現れ、次いで「一

般的疲労」「気力の減退」といった疲労の症状が目立ちますが、

木造校舎のほうが訴え率が少なくなっていました。

つまり、鉄筋コンクリート造校舎の教師のほうが疲れていること

がわかったそうです。

またその傾向は、小学校の教師より中学校の教師にさらに強く表

れてきているそうです。

ホンカ 学校3

つまり、校舎環境は建築材料によって異なるものであり、木造校

舎は鉄筋コンクリート造校舎よりも、そこに生活する子供や教師

の疲労の増加を抑制する効果をもっているということが分かりま

した。

建築材料によってこのような違いがあるんですね。

 

次回は、木材と住宅についてお話ししたいと思います。

小俣 小俣

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