『 木について⑪ ~古代人が好んだ木~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

フィンランド

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

古来、森林資源の豊かな国土に住んでいた日本人は、縄文時代に

はすでに樹木それぞれの特性を知っており、森に分け入っては目

的の樹木を求め、盛んに利用してきたそうです。

 

しかし時代を経るにしたがって、鉄器の導入や農耕の開始などを

背景に、用いる樹木の種類にはかなりの変化がみられます。

関東地方では、弥生時代の資料はあまり報告されていないそうで

すが、それ以外の時代の木製品は、考古学的な遺跡発掘のおかげ

で、かなり見つかっていて、われわれの祖先の木材利用の様相が

明らかになりつつあるそうです。

 

縄文時代中期~晩期、古墳時代および古代における樹種選択の様

子と遺跡周辺に生育していた樹木とを比較することによって、当

時の人々と森林とのかかわりがわかります。

 

杭・割材・建築材などでは、縄文時代にはクリの使用が多いのに

対し、古墳時代以降ではクヌギ類がそれに置き換わっているそう

です。

他の広葉樹は少なく、縄文時代~古墳時代を通じて、ナラ類やカ

シ類、ヤマグワ、トリネコ属がところによって適宜用いられる程

度だそうです。

関東山地に近い場所では、古墳時代以降、クヌギ類に加えてモミ

属やスギなどの針葉樹も多用されるようになりました。

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出土した自然木は、遺跡周辺の当時の森林植生を反映していると

考えられているそうです。

この中には、用材とはならないヤナギ属やハンノキ類の他、縄文

時代ではクリとトネリコ属、古墳時代ではクリ、クヌギ類、ヤマ

グワが、また古代ではクリとクヌギ類がみられるそうです。

クリおよびクヌギ類はほぼどの時代にも、遺跡周辺に普通に生育

していましたが、杭・割材・建築材などをみると、時代ごとの用

材はいずれかに限られるそうです。

 

時代ごとの用材の変化は、道具の変化が第一にあり、その他にも

樹種の好みや食料生産といった文化的な背景もあったと思われて

いるそうです。

 

時代の変化に、樹種の変化がこんなにも関連していることを知

り、今後も木についてもっと調べていきたいと思った小俣でし

た。

小俣 小俣

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