こんにちは。
ホームコーディネーターの小俣です。
今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、
お話ししたいと思います。
樹木はずいぶんと手の込んだことをするのだそうです。
丸太を輪切りにしてみると、外側の淡い色をした辺材と呼ばれる
部分と内側の濃い色をした心材と呼ばれる部分を区別することが
できます。
心材は、初めから心材であったのではなく、丸太の外周に位置す
る形成層で形づくられてから辺材として何年、何十年を過ごし、
ある時、心身に変身するんだそうです。
なぜこのようなことをするのでしょう。
何年あるいは何十年(樹種によりほぼ決まっています)、辺材中
で孤独に生き続けてきた柔細胞(柔細胞以外の細胞は形成層で生
まれて、その年のうちに死んでしまいます)は、ある時、死(細
胞の自殺=アポトーシス)を迎えます。
柔細胞は死に臨んで、辺材を心材に変身させるための仕事(心材
化)をするそうです。
柔細胞はそれまでも微生物などの攻撃から樹木を守ってきました
が、自分が死んだ後もその使命に責任を持ちたいと思い、微生物
の嫌いな樹脂や色素といった心材成分を合成して細胞を覆ったり
微生物の通り道となるであろう細胞中の通路(壁孔壁)を塞いだ
りするそうです。
ですから、心材は辺材に比べ微生物やシロアリなどに対して強い
のだそうです。
耐朽性の高い樹種が多い熱帯産材のなかでもチェンガルは耐朽性
が非常に高く、マレーシア鉄道に使用された枕木の平均耐用年数
は、23年だったそうです。
しかし、チェンガル材といえども、有機溶媒で心材から樹脂や色
素を除いてしまうと、耐朽性は大きく減少してしまうそうです。
北海道の代表的な樹種であるウダイガンバは、心材の比率の大き
さが、高品質材のひとつの条件になっており、市場ではマカバと
メジロカバに区別され、価格も平均で50%ほど異なるそうです。
このような点からも心材化の研究は重要なんだそうです。
心材化のプロセスについては、糖の辺材内部への転流→エチレン
などにより誘導された酸素による心材成分合成→柔細胞の液胞に
ポリフェノールが蓄積→濃度上昇による液胞破壊→周辺への拡散
→細胞壁中のフェノールオキシダーゼなどと接触→酸化重工→心
材が形成されると理解されているそうです。
心材化の誘因としては、水ストレス等が考えられるのだそうで
す。
心材成分生合成に関与するフェニアラニンアンモニアリアーゼや
カルコンシンターゼ活性は、辺材内部で秋期に高くなることが報
告されているそうです。
いかがでしたでしょうか?
今年もこうして木について色々調べていきたいと思います!
小俣
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