カテゴリー別アーカイブ: 木について

『 木について⑭ ~樹木が地球上でもっとも長生きする理由~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

 ホンカ ワールド チェコ3 

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

玉切りされたスギの丸太の切り口を見ると、中央部に褐色の部分

があり、その周辺を淡色の材部が取り巻いています。

中央部は心材、淡色の材部は辺材と呼ばれています。

木造住宅9

ところで、樹木が伐倒された直後を注意してみると、辺材と心材

との間に白色の帯がいわば心材にはち巻きをしているように見え

る場合があります。

この帯の部分は一般に白線帯は(又は辺材から心材への移行材)

と呼ばれているそうです。

では白線帯はいったいどんな意味をもっているのでしょうか?

 

丸太が乾燥するとこの白線帯が不明瞭になるので、この白線帯は

の存在と強くかかわっていると推定されています。

樹木は地球上の植物の中で最も大きくなり、また最も長生きする

生き物です。

セコイア ホンカ

北アメリカのセコイアは高さが100メートルを超えることで有名

ですし、日本ではヤクスギが3000年もの歳月を生き続けていま

す。

ヤクスギ ホンカ 木について

いったいなぜ樹木がこんなに長く生き続け、大きくなるのでしょ

うか。

その一つの理由が心材の形成にあるのです。

樹木が長生きし、大きくなるのは、師部(※1)と木部(※2)

形成層と呼ばれる特殊な細胞の層が長時間分裂能力を維持するこ

とに由来しているそうです。

※1:植物の維管束のうち,師管・伴細胞・師部繊維・師部柔組織から成る組織。養分の通路となる。

※2:道管がまとまって存在している領域は木部という。

 

形成層は何種類かの細胞をつくりますが、樹体内に養分を蓄える

など、主に樹体の生理学的な働きをつかさどる細胞をつくりま

す。

これらはほかの細胞に比べ長い年月生き続けます。

しかし、生きた細胞であるかぎり、個々の細胞は寿命を持ってい

ます。

生活機能を営み続けたこれらの細胞が生から死へと変化する境

界、これが白線帯です。

生活細胞が死細胞と化すときに、ひと働きして死ぬのです。

このとき、心材成分と呼ばれる特殊な成分を形成します。

すなわち心材の形成です。

たとえばスギの場合、スギレジノールなどを生合成しますが、こ

の成分のおかげで樹体は強くなり、大きくなって長い年月生き続

けるのです。

ホンカ 画像3

いかがでしたか?

以前のブログでも、この心材についてお話しさせて頂きました

が、今回はまた違った観点からのお話でした。

このように、日常生活の中でも身近な存在である木について調べ

るのは、とても面白いですね。

小俣 小俣

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『 木について⑬ ~物流の要、パレット~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ホンカ 海外画像3

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

私達の毎日の暮らしのなかで、当然のように何気なく使っている

テレビをはじめ、コーヒー、新聞、パン、お米・・・すべての物

が必ず物流のお世話になっています。

 

この物流の要が“ パレット ”であることをご存知でしょうか。

“ 物 ”が工場で生産され、消費者の手に渡るまでには、“ 物 ”は、包

装、荷役、保管および輸送されます。

ホンカ 荷受け (1)

この物流活動を合理的に行うためには、物を一定の単位にまと

め、かつ、機械荷役を可能にしなければなりません。

そこで、パレットが登場するわけです。

 

この世の中のあらゆる物品は必ず包装(袋、ダンボールケースな

ど)されてパレットに積まれ、コンベヤ上を移動しフォークリフ

トトラックで一旦倉庫に保管されます。

そしてトラック、鉄道貨車、航空機及び船舶などの輸送機関で運

ばれます。

今やパレットなしでは私達の生活はなり立たないといっても過言

ではないといわれています。

 

パレットは、第一次世界大戦ごろにその原形となるものが出現

し、重量物の運搬に利用されたそうです。

第二次世界大戦中に世界への物資(武器、弾薬、食糧など)供給

国であったアメリカでフォークリフトトラックのコンビによる現

在のパレットシステムが考案され、文字どおり物資はパレットに

のせられて世界各国に運ばれたわけです。

その結果、終戦とともに大量のパレットがアメリカ各地やヨー

ロッパ及びオーストラリアなどの現在の先進工業国に残され、戦

後の復興とともにパレットが世界的に普及したんだそうです。

 

わが国では、戦後、駐留軍のためにアメリカから大量のコーラが

パレットによって運び込まれたころが本格的なパレット導入の始

まりといわれています。

ログキット

約10年前のデータになりますが、わが国において年間5000万枚生

産され、3億枚保有・流通しており、実に人口一人当たり2枚強の

パレットを保有していたそうです。

しかも、このうち約90%が木製で占められていたそうです。

ホンカ 海外画像8

いつも見ているログキットの荷受けで、当たり前のようにあった

パレットにもこのような歴史があったんですね。

小俣 小俣

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『 木のついて⑫ ~本物と違った名前~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ホンカ UK53

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

人間は、物を区別するために名前をつけます。

そのため名前と物が違っていると大変困ります。

きのこの“ シメジ ”。今スーパーなどで売られている“ シメジ ”ある

いは“ ホンシメジ ”は、本当の“ シメジ (ホンシメジ)  ”ではなくて、

それぞれヒラタケおよびシロタモギタケだということです。

なぜ堂々とこのような偽りの名前がまかり通っているのが不思議

です。

ホンカ カナダ5

それでは木材はどうでしょうか。

これがまたけっこう本物と違った名前がつけられているのです。

江戸時代から慣習的に呼びならわされてきたものに、家具や細工

物にするカバザクラ(樺桜)とホンザクラ(本桜)があります。

前者はウガイカンバ(マカンバ)を中心とするカバノキ属(カバ

ノキ科)の木材を指し、後者はヤマザクラ、シウリザクラなどの

サクラ属(バラ科)の木材です。

同じくカバノキ属のミズメもミズメザクラといったりします。

科や属の事を知らない昔の人もカバノキの類とサクラの類は葉や

花で当然区別していましたが、両者の材が似ているので、このよ

うな使い分けをしたといわれています。

ツゲ(ツゲ科ツゲ属)とシャムツゲ(アカネ科クチナシ属)も同

様だそうです。

ツゲの良材が不足してきた明治時代に、材が一見ツゲに似た樹種

をタイ(シャム)で発見し、シャムツゲと名づけたそうです。

ただし、材質はツゲの方がはるかに優れているので、将棋の駒や

櫛にしてもシャムツゲは安物にしか使われず、価格も雲泥の差が

あるそうです。

 

また、基盤や将棋盤に使われるシンカヤ(新カヤ)も本物のカヤ

ノキ(イチイ科カヤノキ属)とはほど遠い北米のノーブルファー

(マツ科モミ属)です。

木材市場で通用しているベイマツ(アメリカトガサクラ)、ベイ

スギ(アメリカネズコ)、ベイヒバ(アラスカヒノキ)、ナンヨ

ウギリ(キリに似た南洋材数種)など、このような例は枚挙にい

とまがありません。

 

似て非なるものでも、それに形容詞をつけて本物に近いイメージ

を与えたくなるのが人情です。

日本に限らず、世界的にもチーク、マホガニー、ウォールナッ

ト、ローズウッドなどの銘木にあやかった木材名をもつものはた

くさんあります。

アメリカでフィリピンマホガニーというのはラワンの事です。

流れのゆっくりしていた時代にはこれらの名前もいつか定着し、

少なくとも流通市場で受け入れられています。

 

いかがでしたか?

木に関する事柄を調べていると色々なことがわかり、私自身も調

べていてとても楽しくなります。

次回もお楽しみに!

小俣 小俣

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『 木について⑪ ~古代人が好んだ木~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

フィンランド

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

古来、森林資源の豊かな国土に住んでいた日本人は、縄文時代に

はすでに樹木それぞれの特性を知っており、森に分け入っては目

的の樹木を求め、盛んに利用してきたそうです。

 

しかし時代を経るにしたがって、鉄器の導入や農耕の開始などを

背景に、用いる樹木の種類にはかなりの変化がみられます。

関東地方では、弥生時代の資料はあまり報告されていないそうで

すが、それ以外の時代の木製品は、考古学的な遺跡発掘のおかげ

で、かなり見つかっていて、われわれの祖先の木材利用の様相が

明らかになりつつあるそうです。

 

縄文時代中期~晩期、古墳時代および古代における樹種選択の様

子と遺跡周辺に生育していた樹木とを比較することによって、当

時の人々と森林とのかかわりがわかります。

 

杭・割材・建築材などでは、縄文時代にはクリの使用が多いのに

対し、古墳時代以降ではクヌギ類がそれに置き換わっているそう

です。

他の広葉樹は少なく、縄文時代~古墳時代を通じて、ナラ類やカ

シ類、ヤマグワ、トリネコ属がところによって適宜用いられる程

度だそうです。

関東山地に近い場所では、古墳時代以降、クヌギ類に加えてモミ

属やスギなどの針葉樹も多用されるようになりました。

100827_163427_ed

出土した自然木は、遺跡周辺の当時の森林植生を反映していると

考えられているそうです。

この中には、用材とはならないヤナギ属やハンノキ類の他、縄文

時代ではクリとトネリコ属、古墳時代ではクリ、クヌギ類、ヤマ

グワが、また古代ではクリとクヌギ類がみられるそうです。

クリおよびクヌギ類はほぼどの時代にも、遺跡周辺に普通に生育

していましたが、杭・割材・建築材などをみると、時代ごとの用

材はいずれかに限られるそうです。

 

時代ごとの用材の変化は、道具の変化が第一にあり、その他にも

樹種の好みや食料生産といった文化的な背景もあったと思われて

いるそうです。

 

時代の変化に、樹種の変化がこんなにも関連していることを知

り、今後も木についてもっと調べていきたいと思った小俣でし

た。

小俣 小俣

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『  木について⑩ ~紙おむつのどこが“ 紙 ”?~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ホンカ カナダ3

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

今回のいきなりのこのタイトル。

木についてのお話しなのに何?と思われた方も多いと思います。

実はこの紙おむつというのは、スウェーデンで綿布不足を補うた

めに、紙を重ね合わせて赤ちゃんのおむつに使用したのが始まり

なんだそうです。

しかし、現在では紙と同じ原料の木材パルプを使用しているに過

ぎないのだそうです。いわば、布おむつではないから“ 紙おむつ ”

正確には、“ パルプおむつ ”なのではないでしょうか。

 

さて、汎用の紙おむつに使用されているパルプは、マツなどの針

葉樹を原料としています。

この針葉樹のクラフトパルプ(化学パルプ)には、繊維がとても

長いという特徴があります。

これを紙おむつに使用すれば、フワフワした綿状になりやすく、

吸収性に優れ、柔らかな感触を与えることができます。

このパルプ自体、そこそこ吸水性があるのですが、保水性という

点ではいささか不十分なんだそうです。

そこで、1980年代前半、初めて高分子吸収材がおむつに使用され

ました。

最初に製品化したのは、なんと日本の企業なんだそうです。

それまで、北米やヨーロッパに比べて紙おむつの普及がいまいち

だった日本において、高分子吸収材の使用の開始とともに消費は

飛躍的に伸びたそうです。

 

この高分子吸収材は、主にポリアクリル酸系の化合物が私用され

ているそうです。この物質は自重の数十倍もの尿を吸収・保持す

るそうです。

そのことにより、紙とこの吸収材との使用比率が変わり、森林資

源の有効利用という点からもこの吸収材の使用は画期的な事だっ

たそうです。

ホンカ 建材

今日は、木についてのお話の中でも意外なところに関連があっ

た紙おむつの素材の変化について簡単にお話しさせて頂きまし

た。

小俣 小俣

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『 木について⑨ ~蒲焼きには備長炭~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ホンカ UK47

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

パタパタとうちわの音に乗って流れ来る香ばしいウナギの蒲焼の

匂い。

夏の暑さの真っ盛り。土用丑の日。パリっとした香ばしい皮目と

ふんわりと柔らかな肉に夏の暑さを忘れ、消耗したスタミナが

戻ってきますよね。

 

ビタミンAを含むウナギは万葉の昔から活力を補充する食べ物と

して考えられてきたそうです。

江戸時代の学者、平賀源内が、うなぎ屋に「 本日土用丑の日 」

と書いて看板を出させたところ。これが当たり!

夏の土用丑の日にはウナギの蒲焼を食べるようになったといわれ

ているのだそうです。

 

ところで、この思わず足を止めたくなるようなウナギの蒲焼き屋

さんの香ばしい匂い。それを作りだす秘訣は何だと思いますか?

 

実は木炭なんだそうです。

好んで使われるのが、備長炭と呼ばれる硬い炭。火付きはよいが

短時間で燃え尽きてしまうやわらかい炭に比べ、硬い炭は長時間

燃焼するので、業務用に向いています。

そればかりか、あおぐと真っ赤におこり、その表面温度は1000℃

を超えます。やわらかい炭ではせいぜい600℃くらいだそうで、

この温度が蒲焼の味を左右するのだそうです。

備長炭

元禄年間、紀州の炭問屋の備中屋長左エ門が作り出したといわれ

る備長炭は、やわらかい炭より灰が少なく、あおいでも灰があま

り飛ばず、肉につかないそうです。

 

左手で渋うちわをあおぎながら右手で手際よくウナギの裏を返し

ていく。それが蒲焼屋さんのお決まりの姿ですよね。

蒲焼やさんになくてはならない渋うちわ。電熱やガスに比べて炭

火はうちわ1本で火加減を調整でき、香ばしい焼き上がりに出来る

のだそうです。

つまり、物体に吸収されやすく熱エネルギーになる赤外線を炭火

は多く発生します。

そのため、ガスや電熱の場合より速くウナギの表面が焦げて締ま

り、身の中の水分が滲み出て蒸発するのを防ぐのだそうです。

 

ウナギはもちろんのこと、焼き鳥、炉端焼き、炭火焙煎コー

ヒー、ステーキに手焼き煎餅など、グルメ志向のこの時代には、

炭は欠かせないものとなりましたね。

小俣 小俣

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『 木について⑧ ~樹種と道具~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの平井です。

ホンカ フィンランド8

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

日本だけでも、樹木の数は1,000種以上もあり、いろいろな利用に

供される有用樹種だけでも100種を超えるそうです。

それらの樹木はそれぞれ性質が異なり、人はその長い歴史を通じ

て、木の性質を活かした使い方を見出してきました。

前回お伝えしました食べ物をつまむ道具である割り箸は、清潔で

あることが第一ですが、色もよくなくてはならず、変な匂いがし

ても困ります。

それでいて結構力がかかることもあるし、また割るときに真っす

ぐに割れてくれないと不愉快でもありますよね。

 

こんな条件にかなうのはどんな木でしょうか。

それは、吉野スギだそうです。

吉野スギ

吉野スギの背板(酒樽をつくった残り。丸太の外側の丸みの部

分)でつくった割り箸が東京市場に進出し、その名をはせたのは

明治の中頃だそうです。

今では、割り箸はエゾマツ、トドマツ、シナ、カバ、タケ等でつ

くられるようになりましたが、吉野スギの背板からつくったもの

が一番よいということに異論はないという方が多いのではないで

しょうか。

 

まな板はというと、まな板は水を吸いやすい木は適しません。

木のまな板

また、包丁傷が大きくつく木も、食べ物が挟まり不潔になるの

で、衛生面から除外されます。

このほか、包丁の葉を傷めず、食品の移り香が少ないなども要求

されます。

まな板には、ヒノキ、ホオノキ、ヤナギ、カツラ、イチョウ、サ

クラなどが使われてきたそうですが、食品科学研究所が衛生面か

ら適性試験を行ったところ前掲の木の中ではホオノキとヒノキが

一番良いとの結果が出たそうです。

ホンカ WASARA3

樹種と道具の関係。私自身とても興味がありますので、これから

色々調べてみようと思います。

平井 平井

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『 木について⑦ ~割り箸いろいろ~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの平井です。

ワールド ホンカ18

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

日常身近に使われている食の道具に橋がありますが、中でも割り

箸は日本独特のものとして使われてきました。

 

食べ物をつかむのにこれほどすぐれた簡便な道具は見当たらない

と思います。

寿司、てんぷら、麺類などが好きな私達には象牙の箸を使うこと

はどうもなじみませんよね。

外国の人達も器用に使っていますし、東南アジアの割り箸生産国

でも日本向けの輸出よって外貨を獲得するばかりでなく、衛生上

の問題から、自国での消費にも向けるなど、割り箸の効用が見直

されてもいるようです。

 

ところで、わが国で最も古い木製の箸は飛鳥板蓋宮跡から出土し

たものと言われていますが、この二本箸の歴史に比べ、割り箸は

江戸後期の文政年間(1818~30)が起源され、案外新しいものと

いえます。

 

さて、割り箸は木材の形態的特性や強度的性質の一つである

「 割裂性 」をうまく利用しています。

安い割り箸のなかには繊維が交錯したり、繊維の目が切れていた

りしてきれいに割れないものがありますが、スギなどの針葉樹

は、繊維が通直でわずかの割れ目があれば、簡単に手で割ること

ができます。

 

割り箸の作り方には、手割り加工と機械加工があります。

特に手割りのものにはスギが多く用いられ、奈良県吉野村下市で

多く見られます。

割り箸の厚さ、幅、長さはおおよそ決まっています。

割り箸 木について

この図のように、型によって呼び方が色々あります。

木製の割り箸のほかに九州地方では竹製の物を作っていますが、

今では中国製のものに押され気味です。

日本で一年間に消費させる割り箸はおおよそ245億膳(木材に換

算して約47万㎥、わが国の木材消費量の約0.04%に相当:

1995年当時の資料による)国内生産量は27%で、残りの73%は

輸入されているのが実態です。

スギ、ヒノキ、アカマツなどの国産の割り箸は構造材をとった後

の端材が利用されています。

輸入品は、シナ、カバ、アスペン、グバス、モミ、トウヒ等が

利用され、中国、韓国、カナダからの輸入が増加傾向にありま

す。

一時割り箸が、資源のムダ使いとして騒がれたことがありました

が、用材にはならない木材の有効利用が図られています。

 

普段何気なく使っている割り箸も、こうして調べていくと面白い

発見がありますね。

平井 平井

 

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『 木について⑥ ~北からの提案~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの平井です。

ホンカ 海外画像5

今日は、シリーズでお伝えしています木に関する事柄について、

お話ししたいと思います。

 

日本の住宅は、木の窓の時代からアルミサッシ窓の時代に置き

替わってきました。

ホンカ 木について  建具

しかし、最近はまた木製サッシの人気が高くなっています。

なぜ?と思われる方やもう当たり前と思われる方など、様々だと

思います。

なぜ?と思われる方が多いのはおそらく暖かい地域にお住いの方

ではないでしょうか。

ホンカ 木について  結露

冬にアルミサッシに結露して、その結露水が凍りつき、窓が開か

なくなることがよくあるという現象が起こります。

もちろん、ガラスの断熱性が悪くてガラス面に結露することが多

いのですが、複層ガラスなどの高断熱ガラスを使用するしたこと

によって、枠の結露が大きな問題になりました。

そこで、PVC(ポリ塩化ビニル)で窓枠をつくった樹脂サッシが

出てきたのです。

現在北海道の住宅のほとんどで樹脂サッシが使われ、東北地方で

も見られるようになり、今では暖かい地域でも標準で使用するこ

とが多くなっています。

ホンカ 海外画像

一方、木材はPVCと熱伝導率がほとんど同じなので、樹脂サッシ

並みの気密性能や水密性能であれば、木製サッシは寒冷地に適し

たサッシといえます。

ホンカ 海外画像2

特に木材には調湿機能があり、結露に対しては優れた性能を発揮

するので、アルミサッシや樹脂サッシで結露する温湿度条件下で

も結露を免れます。

また、木製サッシは温暖な地方の高湿度時の結露対策にもなりま

すし、複層ガラスを併用することで夏季の冷房負荷の軽減にも役

に立ちます。

 

木製サッシの先進国であるヨーロッパやアメリカの技術、気密材

や金具などの副資材を使って以前の木製建具とは比べ物にならな

いほど気密や水密といった窓の基本性能が向上しています。

もちろん、木材であるがゆえの欠点もあります。

しかし、現在では木枠に施す塗料の性能向上によって、十分な耐

用年数があります。

ホンカ 海外画像6

また、見方を変えれば、廃棄するのにエネルギーを必要とする樹

脂やアルミなどと違って自然に還りやすい、環境負荷の少ない商

品といえるのではないでしょうか。

平井 平井

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『 木について⑤ ~都市の中の森林~ 』

こんにちは。

ホームコーディネーターの小俣です。

ワールド ホンカ16

今日は、シリーズでお伝えしております木に関連する事柄につい

て、お話ししたいと思います。

 

地球温暖化の原因物質の一つであります二酸化炭素が増加してい

ます。

その発生源の第一は化学燃料の大量消費であり、次いで農地転

換による森林の消失だそうです。

ホンカ・アアルト アトリエ

二酸化炭素を吸収・固定するものに森林が考えられますが、森も

長い年月が経つと光合成で二酸化炭素を吸収する量と、樹木の呼

吸量、落葉量、枯死量、被食量などが釣り合った状態となり、一

定量の炭素を固定し続けてはいますが、見かけ上二酸化炭素を吸

収も放出もしなくなってしまいます。

 

森林に二酸化炭素を最も効率よく吸収してもらうためには、十分

育った木を伐採してその跡地に植林し、森全体を若い状態に保っ

てやる必要があります。

ホンカ カナダ5

その状態では、成熟しきった森林に比べて面積あたりの炭素固定

量は少なくなりますが、伐採される量と同じだけ二酸化炭素を大

気から毎年吸収・固定していることになります。

 

それでは、その伐採された木材をどのように利用すれば最も地球

温暖化防止のために有効なのでしょうか。

燃料として燃やしたとしても、発生した分の二酸化炭素は伐採跡

地に植えられた森に吸収されますし、そのエネルギー分だけ石

油、石炭の消費が減ることになるのでそれなりの意味はありま

す。

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しかし、樹木が何十年もかけて吸収した炭素をすぐに大気中に

戻してしまうのはもったいないことです。

そこで、燃やすのは最後の最後として、木造住宅を建ててできる

だけ長く利用し、寿命がきて解体した後も紙や木質ボードにリサ

イクル利用して、炭素を固定し続けるほうがより有効です。

 

木造住宅では、1㎡当たり約0.2立法㍍の木材が使われており、延

床面積100㎡の木造住宅には20立法㍍、5トンの炭素が固定されて

います。

この住宅が100㎡の土地に建っているとすると、1㌶の住宅地では

2000立法メートル、500トンの炭素となり、これは成長のいい土

地での林齢約100年のスギ林の枝・葉・根も含めた炭素固定量に

匹敵します。

これはまさに都市の中の森林と呼べるのでしょうね。

小俣 小俣

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