こんにちは。
ホームコーディネーターの平井です。
今日は、私が今までログハウス建築に携わり、木に関することで
疑問に思い、その都度調べてきたことの一部をお話したいと思い
ます。
私達の身の周りには、建物の構造体や壁や床、天井などの室内
造作材、そして木製家具や木を使った小物等、たくさんの木が使
われていますよね。
それらをよく見ると、集成材だったり、無垢材だったりと木の特
性を生かして使い分けています。
そこで今日は、集成材の特徴の一部について少しお話したいと思
います。
皆さんは「 集成材はくるいにくい 」といわれている理由をご存知
ですか?
「 きちんと乾燥されているから。」とだけ答える方が多いのです
が、その答えだけではせいぜい100点満点の30点くらいしかもら
えません。
では、その他の理由はというと、それは集成材の寸法安定性に関
係するのです。
まず、原木をラミナ(※1)や小角等の小さなエレメントに分解する
ところに、くるいにくくなる秘密があります。
木材は断面が小さいほど、乾燥速度が速くて、含水率が均一にな
り易いのです。
また、くるいの原因になり易い成長応力(※2)なども抜けやすくな
ります。
この結果、乾燥されたエレメント自体がくるいにくくなり、さら
にそれを集成加工した集成材もくるいにくくなるわけです。
もちろん、エレメントの製造時に大きな節や繊維の乱れなども除
去されるので、これも寸法安定性の向上に一役買うことになりま
す。
切り刻んで短小にしたエレメントを使うラバーウッド(ゴムノ
キ)の集成材などは、まさにこのような製造原理を応用した製品
であるといえます。
とはいえ、集成材がくるいにくい理由はこれだけではありませ
ん。
実は「 接着層が変形を抑制しているから」なのです。
この写真は、気乾状態( 含水率10% )にあったスギラミナと集成
材を全乾状( 含水率≒0% )にまで乾燥させたときの写真です。
接着しなかったラミナはそれぞれがくるいを生じているのに対し
て、集成材では表面に多少の凹凸は出来ているものの、全体の変
形が小さいことがわかります。
両者の違いは接着層の有無だけですから、接着層が変形を抑制し
ていることは明らかです。
もちろん、見方を変えると、接着層にはそれだけ大きな内部応力
(※3)が生じているということになります。
しかし、接着しているからと言っても、寸法安定性がよくならな
い場合があります。
いわゆる幅はぎ接着の場合がそれです。
この写真は、スギの柾目板の狭い面同士を幅はぎ接着した集成材
を、全乾状態まで乾燥した時の写真です。
大きなくるいが生じているのがわかりますか?
一方、同じ材料を使って、板の広い面を幅はぎ接着した集成材を
全乾状態にした時の写真が下記です。
こちらの方は全乾になってもほとんどくるいが生じていません。
つまり、同じ材料を使って接着された製品であっても、そのくる
いやすさは材料の並べ方で大きく異なります。
まとめとして、「集成材がくるいにくいのは、まずくるいにくい
エレメントをつくって、それをくるいにくいように集成加工して
いるから。 」 ということになります。
建築の材料も材料を加工する際に、そのことを熟知しているか否
かで建物の良しあしも決まってくるのです。 平井
(※1)ラミナ(Laminar)とは、集成材を構成する挽き板あるいは小角材のピースのことです。
元来、集成材は残りもので作った感が以前はあったようです。現在では、丸太の製材段階で、あえてラミナを挽く工場も多くあります。
(※2) 「成長応力」とは、木が樹木として成長している間に樹木の内部で発生する応力で、風や斜面や重力に耐えて、真っ直ぐに伸びようとする際にそれに耐えようと発生する応力のことを言います。
(※3) 「内部応力」とは木材内部で起こっている応力のことです。
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